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技術情報 – 低出力パルス波超音波(LIPUS)について

TECHNOLOGY

LOW INTENSITY PULSED ULTRASOUND:LIPUS低出力パルス波超音波(LIPUS)

●適応症:重症狭心症、認知症など
低出力パルス波超音波(LIPUS)は、250mW程度の超音波をパルス波(32波)として照射する末梢循環不全の病態を改善する低侵襲で革新的なモダリティです。LIPUSは、血管内皮細胞(Caveolin-1)に作用し、一酸化窒素合成酵素(血管拡張)や血管内皮増殖因子(血管新生)を亢進させます。私たちはLIPUSが、多くの末梢循環不全に関連する適応症に対して優れたモダリティとして発展していくことを期待しています。
重症狭心症については、下川教授らが開発し、2010年に厚生労働省から先進医療として承認を得ていた低出力体外衝撃波治療があります。しかし、低出力体外衝撃波治療、肺に照射すると臓器損傷を引き起こすリスクがあるため、医師は位置合わせを慎重に行う必要がありました。
LIPUSは、健康診断で使われるエコー検査と同程度の出力範囲の超音波を照射するため、低出力体外衝撃波と比べて、低侵襲で安全に対する懸念が格段に軽減されます。下川名誉教授グループは、低出力対外衝撃波と同程度の有効性を示すLIPUSの照射条件を見出し、基礎研究と非臨床試験でエビデンスを獲得し、現在医師主導治験を行っています。LIPUSは、認知症や他の虚血性疾患への応用も期待され、実用化まで、あと数年という段階に来ています。

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