Home

NEWSお知らせ

2021年3月3日

超音波治療による血管-神経新生作用を発見 – 脳梗塞後の神経機能回復のための新しい治療法へ期待 –

当社取締役で東北大学の下川宏明客員教授が率いる研究グループが、低出力パルス波超音波(LIPUS)治療が、脳梗塞後の血管-神経新生を促進し、梗塞サイズを縮小する治療的効果を発揮することを明らかにしました。

脳に梗塞が起きると一部の脳領域で神経が新生し、損なわれた機能を補完しようとすることが報告されていますが、この神経新生を効果的に誘導する治療法は未だ確立されていません。当社取締役であり東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明客員教授らの研究グループは、マウス脳梗塞モデルにおいて、低出力パルス波超音波(LIPUS)が脳梗塞後の血管-神経新生を惹起し、梗塞サイズを縮小して神経学的後遺症を軽減することを明らかにしました。

下川教授らは、現在、認知症患者に対するLIPUS治療の効果を検証する医師主導治験を実施しています。本研究によりLIPUSのさらなる作用機序が解明され、今後、脳梗塞などの神経疾患に対してもLIPUS治療が応用できる可能性が期待されます。

本研究成果は、2021年3月2日午前10時(現地時間、日本時間3月2日午後7時)Scientific Reports誌(電子版)にオンライン掲載されました。

LIPUS治療機器は、当社が機器開発を担当し、実用化を目指しています。

【論文題目】
Title: Low-intensity pulsed ultrasound therapy promotes recovery from stroke by enhancing angio-neurogenesis in mice in vivo
Authors: Sadamitsu Ichijo, Tomohiko Shindo, Kumiko Eguchi, Yuto Monma, Takashi Nakata, Yoshihiko Morisue, Hiroshi Kanai, Noriko Osumi, Satoshi Yasuda, Hiroaki Shimokawa

タイトル:低出力パルス波超音波治療(LIPUS)は血管-神経新生を促進し脳梗塞マウスモデルの機能回復を促進する
著者名:一條貞満、進藤智彦、江口久美子、門間雄斗、中田貴史、森末良彦、金井浩、大隅典子、安田聡、下川宏明

掲載誌名:Scientific Reports
DOI: 10.1038/s41598-021-84473-6

【本件に関するお問い合わせ】
サウンドウェーブイノベーション株式会社 PR担当
mailinfo@sw-innovation.com