低侵襲の治療プラットフォーム技術(低出力パルス波超音波(LIPUS)・衝撃波アブレーションカテーテルシステム(SWCS))開発までのストーリー
DEVELOPMENT HISTORY
LIPUS ― 認知症
- 2014年
- 微小循環不全を改善するLIPUS治療が認知症にも有効ではないかと着想し、基礎研究を開始(2種類のマウスモデル)。
- 2017年
- AMED革新的医療シーズに採択。
- 2018年
- 2つの認知症マウスモデル(アルツハイマー病、脳血管性認知症)における有効性・安全性を論文発表。
- 2018年6月~
2019年3月
- 軽症アルツハイマー病/MCIに対する医師主導治験第1部実施(短期安全性、5例) 。効果安全性判定委員会から安全性が認定される。
- 2019年4月~
2022年3月
- 軽症アルツハイマー病/MCIに対する医師主導治験第2部(22例)。安全性が再確認され、有効性が強く示唆される。
- 2022年9月30日
- LIPUS-Brain治療機器が、厚労省から「先駆的医療機器」第1号に指定される。
- 2023年夏
- LIPUS-Brain治療機器を用いた早期アルツハイマー病に対する超音波治療の検証的治験開始予定
LIPUS ― 狭心症
- 2001年
- 下川教授が、2001年に開催された第1回日本NO学会学術集会で「培養内皮細胞に低出力衝撃波を照射すると特定の照射回数で一酸化窒素合成酵素(eNOs)活性が亢進する」というイタリアのグループの基礎研究発表を聴講し、低出力衝撃波を用いた狭心症治療を着想。基礎研究を開始
- 2004年
- 研究を重ね、現行の結石破砕治療の約10分の1の低出力波の衝撃波が、最も効率よく血管を新生させることを発見。2004年にスイスのメーカーと共同で、心臓病専用の衝撃波治療装置を開発。
- 2004~2009年
- 重症狭心症を対象とする第一次(オープン試験)・第二次(プラセボ対照二重盲検試験)の臨床研究を実施。
- 2010年
- 重症狭心症を対象とした低出力体外衝撃波療法が、日本で高度医療(現在の先進医療B)として承認される。
次に、より低侵襲な超音波を用いた血管新生療法の開発に取り組み、32波の低出力パルス波超音波(LIPUS)が、低出力衝撃波とほぼ同じ効果を示すことを発見し、特許を取得(2014)。
- 2013年
- 2013年から東北大学病院をはじめ、全国10大学の病院でLIPUSを用いた重症狭心症を対象とする医師主導治験を開始。
- 2016年
- LIPUSの治療効果の詳細な分子機構を解明し論文発表。
- 2019年7月
- 最終患者登録終了(合計62例)~2020年12月追跡終了予定(AMEDシーズC)。
- 2023年6月
- LIPUS-Heartの医師主導探索的治験の結果を論文発表。
衝撃波アブレーションカテーテルシステム
- 2008年
- 衝撃波が難治性の頻脈性不整脈の治療に有効ではないかと着想し、衝撃波アブレーションシステムの開発に着手。
- 2011~2014年
- JST A-STEP事業に採択され、終了時にShock Wave Medical設立。
- 2015~2016年
- AMED研究費(橋渡し研究 シーズB)
- 2018~2021年
- AMED研究費(医療機器開発推進研究事業)
これまでに、ブタモデルにおける有効性・安全性に関する3本の論文発表
- 2021年
- AMED研究費(橋渡し研究 Pre-C事業)
- 2023年4月
- 不整脈治療用医療機器「衝撃波アブレーションカテーテルシステム(SWCS)」に日本国内での特許査定がおり、米国、EU、日本での特許が成立